PDF楽譜を電子データに変換したら、それをもとに、楽器による演奏、合成音声による歌声を作成していきます。
ちなみに、ある程度の知識がある方は、私のようにPDF楽譜を電子データに変換する作業をしなくても、ソフトウェアに楽譜データ直接入力することができます。
【動画作成の流れ1】楽曲を決め、著作権の管理について確認し、PDF楽譜を電子データにする(「Muse Score」の使用)
今回は、パソコンで音楽を作成するのに必要なソフトについてまとめてみます。これを知っておかないと、数ある製品の中から、何を購入すればよいのかわかりません。(私のような超初心者は特に。)
まず、メロディー付き歌声を作成するには、「ボーカルエディタ」と「歌声」というソフトが必要です。
合成音声による歌声は、ピアノやギターと同じ「楽器」という扱いになります。キャラクターやその名称には著作権が存在しますが、歌声は楽器であるため自由に使用することができます。
そして、作成したメロディ付き歌声と、ピアノ、ギターなどの「ソフトウェア・シンセサイザー(ソフト音源)」をDAWソフトでミックス・編集することで、作品を完成させることができます。
「何を作りたいか」、「どのような音楽を作成したいのか」により、必要なソフトウェアは異なります。
本格的な音楽活動をする方は、一つ一つ納得のいくソフトウェアを厳選していく必要があるでしょうし、私のように合成音声に既存の楽曲を歌わせたい、というレベルでしたら、クリプトン社のV4Xシリーズを購入すれば、必要なソフトウェアが全て同梱されているため、それだけで制作活動を開始することができます。
また、後述しますが、「VOCALOID歌声ライブラリ」から異なるキャラクターの歌声を購入し、V4Xソフトウェア一つで、複数のキャラクターの歌声を管理することも可能です。(キャラクターやバージョンにより、対応・非対応はあります。)
・VOCALOID歌声ライブラリ(ヤマハ株式会社VOCALOID 公式ホームページ)
以降、それぞれのソフトウェアについて説明します。
1 DTMとは
ネット上でよく見る「DTM」という単語、これは、デスクトップミュージック(和製英語: Desktop Music)の略称で、主にパソコンを使用して音楽を作成することの総称で、英語圏ではコンピューターミュージック(英語:Computer music)などと呼ばれています。
実際にピアノやギターなどの楽器を弾き、手書きで楽譜を作成するのではなく、パソコンでそれらの作業を行います。(実際の楽器演奏をデータとしてパソコンに取り込み、編集することも可能です。)
日本の有名アーティスト、さらには世界の音楽シーンでも、DTMによる作曲は多く行われています。
2 DTMに必要なソフトウェア(合成歌声を使用した場合)
「パソコンで音楽を作成」するといっても、その方法は様々です。
パソコンに楽器を接続して作曲することもあれば、様々な楽器の演奏を録音し、パソコンで編集することもあります。
その人が、どのような音楽を作成するのかにより、DTMの方法は異なり、必要なソフトウェアや機材も異なります。
私の場合、「既存の楽譜を使い、合成歌声に歌わせ、楽器による伴奏をつける」ことが目的であるため、以降、その作業に必要なソフトウェアについてまとめます。
(1)DAWソフト
DAWとは、デジタルオーディオワークステーション(Digital Audio Workstation)の略称で、MIDIの打ち込みやオーディオの録音、録音したオーディオトラックの加工、編集、マスタリング(最終仕上げ)など、一連の作業が出来るシステムの呼称で、それがソフトウェアになったものが「DAWソフト」です。
パソコンで音楽を作成するベースとなるソフトウェアであり、このDAWソフト無しではDTMは始められません。
以降、特によく使用されているDAWソフトウェアをご紹介します。
①Cubase(STEINBERG社、動作環境:Win/Mac)
「Cubase」(キューベース)は、ドイツのスタインバーグ(現在はヤマハの子会社)が開発した、WindowsおよびmacOSの両プラットホームに対応するオーディオ/MIDI統合型音楽制作アプリケーションです。
世界シェアではトップクラスを誇り、最上位グレードの「Pro」は、多くのプロアーティストも使用しています。
大きく分けて、「Pro」、「Artist」、「Elements」の3種類のグレードがあり、それぞれの機能は以下のとおりです。(10.5バージョンの場合)
<出典:スタインバーグ社Cubas公式ホームページ「Cubase シリーズ 機能比較」>
ただ、「Pro」版、「Artist」版の起動には、ハードウェアキー「USB-eLicenser Steinberg Key」の購入が別途必要です。(「Elements」版は必要ありません。)
「Pro」版
「Pro」版は「Cubase」の最上位グレードです。
予算が許すのであれば、後々いろいろと買い足していくことを考えると初めから「Pro」版を購入するのがいいと思います。初心者は「自分にはそこまでの機能は必要ない」と考えがちですが、実際作業をしていると、いろいろな音源や機能がほしくなってくるものです。(体験談。知らない、知識がないから「少ない機能でいい」と思ってしまうんですよね。)
「Artist」版
「Artist」版には、「Pro」版のみに実装されているピッチ補正機能「VariAudio」がありません。他のソフトウェアを導入することでピッチ補正を行うことも可能ですが、それをするくらいなら初めから「Pro」版を購入するのがいいと思います。
ただ、「そこまでこだわらない」という方には、「Artist」版でもいいかもしれません。
「Elements」版
「Elements」版は「なんとなくCubaseに触れてみたい」という方にはいいと思います。
ただ、同梱されているソフト音源(楽器)や機能が少ないため、使用しているうちに「あれも欲しい、これも欲しい」となってくる可能性はあります。
②Studio One(PreSonus Audio Electronics社、動作環境:Win/Mac)
「Studio One」(スタジオ・ワン)は、アメリカ・ルイジアナ州に本部を置くPreSonus Audio Electronics社が開発したDAWソフトウェアで、日本では株式会社エムアイセブンジャパンより発売されています。
デジタル・ミックスを定義したドイツの敏腕プログラマー達がデザインし、長年のデジタル・オーディオ開発で培った知識と経験をベースに、最新のテクノロジーとモダンコードだけを用いてゼロから開発されています。
開発に携わったヴォルフガング・クンドゥルス氏とマティアス・ユーヴァン氏は、過去にSteinberg社のCubase Nuendoの開発に携わっており、Studio OneはCubaseと親戚関係にあるともいえます。
ちなみに、私が購入した「初音ミク V4X」には「Studio One Artist」が同梱されています。
私は「Studio One」しか使用したことがないので、他のDAWソフトウェアとの比較はできませんが、ホームページでも宣伝されているとおり「直観的でスピーディー」な操作性に優れており、私のようにDAWソフトウェア初心者でも、「なんとなく」で操作できます。
「Studio One」には、「Professional」、「Artist」、「Prime」の3つのグレードがあります。
それぞれのグレードの違いは公式ホームページをご覧ください。
株式会社エムアイセブンジャパン Studio One 公式ホームページ
「Professional」版
「Studio One」の最上位グレードが「Professional」版です。
金額はそれなりにしますが、低いグレードのものを購入して後々様々なソフトウェアを買い足していくのであれば、最初から「Professional」版を購入するのがいいと思います。
「Artist」版
「Professional」版との大きな違いは、「Artist」版は外部VST(別に購入したエフェクト)を使用することができないということです。
「Artist」版で外部プラグインを導入する場合、別売の「Studio One Artist VST/AU/Rewire Support」というアドオンを購入する必要があります。
「Prime」版
「Prime」版は、完全フリーのソフトウェアで、トラック数や時間制限もなく、本格的なオーディオ/MIDI編集、バーチャル・インストルメント、ループ素材、エフェクト、ミキシングを利用することができ、ベーシックな音楽制作をスタートすることができます。
使える音源や機能は少ないものの、無償で利用できるため、「とりあえず使ってみて、購入はそれから考えよう」という方にはいいと思います。
入手方法は、「Studio One」公式ホームページをご覧ください。
③Logic Pro(Apple社、動作環境:Mac)
「Logic Pro」(ロジック・プロ)は、ドイツのC-Lab(後のEmagic)により、Atari STプラットフォーム上で動作する譜面作成のソフト「Notator SL」として開発されました。
その後プラットフォームをMacintoshへと移動して名称を「Notator Logic」、さらに「Logic」と変更しています。
さらに、2002年7月にアップルがEmagicを買収したことで、Emagicで販売されていたWindows版の開発・販売は停止されました。
「Logic Pro」は、他のアップル社製品同様、洗練されたデザインと操作性が特徴で、アップル製品が好きな人には使いやすいデザインとなっているようです。
Logicのグレードは、「Pro」ひとつのみです。
詳細、購入については、アップル社「Logic Pro」公式ホームページを参照してください。
④FL Studio(IMAGE-LINE社、動作環境:Win/Mac)
「FL Studio」(エフエル スタジオ)は、ベルギーのImage-Line社の音楽製作ソフト(DAW)で、ステップシーケンサを原型としたユーザインタフェースを持っています。
ユーザーには「Lifetime Free Updates」が提供され、生涯無償でバージョンアップデートを受けられるのが特徴です。
Image-Lineは、iOS・Android・Windows及びFL Studioのプラグインで動作する「FL Studio Mobile」も開発しており、動作の軽さ、ピアノロールの使い易さに定評があるようです。
海外シェア調査ではトップとなることの多く、世界的に大変人気のあるDAWで、特にEDM/ダンス系ミュージック製作ソフトとして国内外を問わず著名なクリエーターから絶大な支持を得ています。
「FL STUDIO 」は、日本では株式会社HookUpが販売代理を行っています。
「FL STUDIO」には、「Signature」、「Producer」、「Fruity」の3つのグレードがあります。
「Signature」版
「Signature」版は、「FL STUDIO」の最上位のグレードです。
主要機能のほとんどが備わっており、特にリピート、スクラッチ、ゲートエフェクトなどの効果をもたらす「Gross Beat」、リアルタイムでピッチを補正する「Picher」などのプラグインは、「Signature」版のみに装備されています。
「Producer」版
「Produccer」版は「FL STUDIO」の標準グレードで、「FL Studio」の基本的な機能はすべて搭載されています。
ただし、「Signature」版に備わっているリピート、スクラッチ、ゲートエフェクトなどの効果をもたらす「Gross Beat」、リアルタイムでピッチを補正する「Picher」などのプラグインは搭載されていません。
追加でプラグインを購入すことも可能ですが、結局高価になってしまうため、もともと「Signature」版との価格差もあまりないことから、はじめから「Signature」版の方を購入するのがいいかもしれません。
「Fruity」版
「Fruity」版は「FL STUDIO」の最下位グレードで、このグレードのみオーディオ機能には対応しておらず、オーディオの録音やオーディオ素材の扱いができません。MIDIでの打ち込みのみとなります。
オーディオトラックなしではできることが非常に限られるため、音楽制作活動を行う上で非常にストレスを感じそうです。
なんとなくDAWソフトに触れてみたい、という方にはいいかもしれません。
⑤Pro Tools(Avid Technology社、動作環境:Win/Mac)
「Pro Tools」(プロ・ツールス)は、アメリカのアビッド・テクノロジー社が設計開発及び販売しているDAWソフトウェアで、音楽業界・レコーディング業界標準のハードディスクレコーディングシステムです。
現在では音楽制作現場をはじめ映画関連や放送局など、オーディオ素材を取り扱う多くの分野において共通する録音再生及び音声編集機材となっており、アビッド・テクノロジー社のホームページによると、2018 年度のアカデミー賞では、編集賞、音響編集賞、録音賞、および作曲賞のすべての受賞者および候補者が Avid ユーザーで、2017 年度のプライムタイム・エミー賞では、ドラマ・シリーズ部門のシングル・カメラ編集賞およびコメディ/ドラマ・シリーズ部門の音響賞のすべての受賞者および候補者が Avid を使用していたそうです。
将来、テレビや映画などの業界で音楽関係の仕事をしたい方には、必須のソフトウェアのようですが、もちろん一般の個人でも使用することはできます。
ただし、今まで紹介したほとんどのDAWソフトウェアが「買い切り」なのに対し、「Pro Tools」は「月額・年額」で使用する形となっており、多少コストは嵩むようです。
ただ、「本格的にDTMをする」、「テレビや映画業界で働きたい」、というような方には必要なソフトウェアになるのかもしれません。
グレードは上位から、「Pro Tools | Ultimate」、「Pro Tools」 、「Pro Tools | First」の3つがあります。
こちらの製品は、ライセンス料金、月々の利用料金、アップグレードに関する料金含め、かなりの高額となりますので、本格的な音楽活動をしたい方、音楽業界で働いている方、将来音楽関係の仕事に就きたい方以外には、選びにくい製品なのではないでしょうか。
ちなみに、下位の「First」は、無償で誰でもフリーでダウンロードして使用することができます。
「Pro Tools」は世界の音楽シーンでの標準ソフトウェアでもあるため、「とりあえず使ってみたい」という方は、かなり機能が限定的であるとはいえ、まず無償の「First」版を公式ホームページからダウンロードして使用し、とりあえず「Pro Tools」の世界に触れてみる、というのがいいかもしれません。
それで、今後自分が使用できるようなら、購入を考えればいいと思います。
アビッド・テクノロジー社 Pro Tools 公式ホームページ
2 ソフトウェア・シンセサイザー(software synthesizer)~ソフト音源~
「DAWソフトウェア」は、所謂「音楽の形」を作るソフトウェアです。
それを音楽にするためには楽器が必要です。
そこで必要となるのが、ソフトウェア・シンセサイザー(software synthesizer)です。ソフト音源とも呼ばれています。
ソフトウェア・シンセサイザーとは、コンピュータ上でシンセサイザー機能を提供するソフトウェアであり、広義にはCPUによって音信号を合成するソフトウェアすべてを指しますが、狭義には歴史的に専用ハードウェアで提供されてきた楽器用シンセサイザーの発音回路をコンピュータソフトウェアによってデジタル信号処理で再現したもの、およびその楽器としての類型を指します。
短縮してソフトシンセ(soft synth)、実体がないためヴァーチャルシンセ(virtual synth)などと呼称されることもあります。
なお「ソフトシンセサイザ(SOFTSYNTHESIZER)」はヤマハの登録商標(登録日本第4026952号)です。
DAWソフトには、通常ソフトシンセが機能の一つとして搭載されており、「Cubase」では「VSTインストゥルメント」、「Protools」では「プラグインインストゥルメント」等と異なる名称で呼ばれています。
ただ、「DAWソフトウェア」の本来の役割は、録音、編集等であり、搭載されているソフトシンセは「おまけ」のようなものです。
私のように、ピアノやオルガンで童謡・唱歌の伴奏を作る程度だったら、DAWソフトに搭載されているソフトシンセ(楽器音源)で充分ですが、本格的な作曲活動をしたい方、楽器の音にこだわる方は、別途ソフトシンセ(楽器音源)を購入する必要があります。
ちなみに、私が使用している「初音ミク V4X」には、「Studio One Artist」というDAWソフトウェアが搭載されており、これには500種類以上のソフトシンセ(楽器音源)が搭載されています。
3 ボーカル・エディタ(ソング・エディタ)
ボーカル(ソング)・エディタは、「歌を歌わせる」ためのソフトウェアです。
素材となる歌声(ボイス)は別に用意する必要があります。
エディタに歌詞とメロディを入力(或いは伴奏(WAVE)データを読み込み)し、発声や声の強弱、吐息の抜き方、子音の補強等を行うことで、歌声の調整を行います。
同じ楽曲を使用しても、編集する人の個性や好み、また技術力が反映されるため、作成する人により全く違った歌唱となります。
これは、同じ楽曲を歌っても、歌手によって歌の表情が全く異なるのと同じです。
ちなみに、私が使用している「初音ミク V4X」は「初音ミクの歌声」と「Piapro Studio」というクリプトン社が開発した次世代型ボーカルエディターが、「CeVIO さとうささら ソング&トーク スターター |ダウンロード版」は「さとうささらの歌声」とソングエディタ、そして「さとうささらの話し声」とトークエディタが同梱されています。
4 歌声(ソングボイス)
歌声(ソングボイス)は、「3 ボーカル・エディタ(ソング・エディタ)」で説明したところの、「メロディーつき歌声」の材料となるものです。
同じメーカーのものであれば、ボーカル(ソング)・エディタが一つあれば、それで複数のキャラクターの歌声(ソングボイス)を管理することができます。
①Cevio製品
Cevioの場合、「さとうささら」の他に、「すずきつづみ」「タカハシ」というキャラクターが用意されていますが、この中でソングボイスを持つのは「さとうささら」のみで、他2名はトークボイスしかありません。
トークボイスで歌わせることもできるようですが、それなりに工夫が必要のようです。
ちなみに、こちらが「すずきつづみ」という、クールなイメージのキャラクターです。
「トークスターター」は、トークエディタとトークボイスのセット商品です。
こちらは「タカハシ」という男性キャラクターです。
女性キャラクターが多い合成音声の世界では、貴重です。
こちらもトークボイスのみの製品となっています。(スターターにはトークエディタが同梱されています。)
一方、「さとうささら」は、ソングボイス、トークボイスの両方が用意されているCevio製品の中で唯一のキャラクターです。
「CeVIO さとうささら ソング&トーク スターター |ダウンロード版」は、ソングエディタ、トークエディタの両方が同梱されています。
ソングボイス、トークボイス単品での購入も可能です。
②ボーカロイド(VOCALOID:ヤマハ株式会社)製品
ヤマハ株式会社のボーカロイド(VOCALOID)を使用する場合、多くの多彩なキャラクターの中から選択することができます。
また、日本語以外にも、英語、スペイン語、中国語、韓国語が使用できるキャラクターも用意されているのが魅力です。
さらに、ヤマハ株式会社のボーカロイドエディタがあれば、「VOCALOID歌声ライブラリ」から購入するソングボイスで、複数のキャラクターを一つのエディタで管理することができます。(エディタのバージョンにより、対応・非対応があるので注意が必要です。)
VOCALOID(ボーカロイド・ボカロ)公式ホームページ「VOCALOID歌声ライブラリ」では、キャラクターの歌声を視聴・購入することができます。
初音ミクを世に出したクリプトン社(クリプトン・フューチャー・メディア株式会社)は、特にヤマハの音声合成エンジンVOCALOIDを採用したデスクトップミュージック(DTM)用の音声合成ソフトの製造販売で知られています。
クリプトン社製のボーカル・エディタ「Piapro Studio プラグイン」では、クリプトン製以外の「VOCALOID歌声ライブラリ」を使用することができます。
ただし、バージョンにより対応・非対応がありますので、クリプトン社「Piapro Studio」ホームページでご確認ください。
・Piapro Studioで使用できる歌声ライブラリについて(クリプトン社「Piapro Studio」公式ホームページ)
・クリプトン製以外のVOCALOID 歌声ライブラリの使用方法(クリプトン社「Piapro Studio」公式ホームページ)
・Piapro Studio プラグインとPiapro Studio スタンドアローンについて(クリプトン社「Piapro Studio」公式ホームページ)
3 まとめ
今回は、私のような初心者のために、合成音声を利用して伴奏付き歌唱を作成するために必要なソフトウェアについてまとめました。
メロディー付き歌声を作成するには、「ボーカルエディタ」と「歌声」というソフトが必要です。
合成音声による歌声は、ピアノやギターと同じ「楽器」という扱いになります。キャラクターやその名称には著作権が存在しますが、歌声は楽器であるため自由に使用することができます。
そして、作成したメロディ付き歌声と、ピアノ、ギターなどの「ソフトウェア・シンセサイザー(ソフト音源)」を、DAWソフトでミックス、編集することで、作品を完成させることができます。
「さとうささら」に代表されるCevio製品は、歌声(ソングボイス)、ボーカル・エディタ(ソング・エディタ)がありますので、両方を揃えることでアカペラまでを作成することができます。(カラオケのような伴奏音源があれば、それをWEVEデータとして読み込み、伴奏付きの歌声を作成することも可能ですが、細かい編集はできません。)
一方、「初音ミク」に代表されるCrypton製品V4Xシリーズは、歌声(ソングボイス)、ボーカル・エディタ(ソング・エディタ)「Piapro Studio」、ソフトウェア・シンセサイザー(ピアノなど楽器のソフト音源)、そして、それらをミックスして編集するDAWソフト「Studio One Artist Piapro Edition」が同梱されているため、このソフトウェア一つで作品を完成させることができます。
アカペラまでしか作成することができないCevio製品ですが、こちらはより自然な発声が特徴で、実際に使った感想としても、「さとうささら」の歌声は「元気で明るい女の子」という感じで、声も扱いやすく、私はとても好きです。
この記事が、これから合成音声を使用した音楽制作を始めてみたい、という方の参考になれば幸いです。