日本一の警察犬アルフ号と天野担当官との物語

前回の記事では、まんが『警察犬物語』についてご紹介させていただきました。(記事:「まんが『警察犬物語』のご紹介」

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この物語は、新人警察犬訓練士である雨野しげお巡査と、警察犬レックス号、アルフ号の活躍を描いた物語なのですが、彼らには実在したモデルが存在します。

今回は、実在した彼らの物語をご紹介させていただきます。

 

実在した天野巡査と、レックス号、アルフ号の物語

まんが「警察犬物語」はフィクションですが、雨野しげお巡査、レックス号、アルフ号には実在したモデルがいます。

雨野しげお巡査のモデル天野重夫氏は、警察犬嘱託制度が直轄犬制度を導入した翌年の 1957年2月から1993年3月までの約35年間、警視庁で警察犬を担当されており、正に日本の警察犬の歴史と発展に深く貢献した人物の一人です。

レックス号については、優秀であったこと以外にあまりネット上には記録がありませんが(警視庁には記録があると思います)、アルフ号は、警視総監賞2回、警察庁刑事局長賞2回、警視庁刑事部長賞9回など合計109回も表彰される等、日本警察史に名を残す名警察犬として特に有名で、警視庁ホームページ「警視庁警察犬物語~それいけハナの捜査官~」で紹介されています。

警視庁ホームページ「警視庁警察犬物語~それいけハナの捜査官~」
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/shokai/katsudo/dog/alf.html

参考:警視庁における警察犬のあゆみ(警視庁HPより)

大正元(1912)年12月

イギリスから、コリーとラブラドールレトリバーの2頭の警察犬を購入し、警察犬として採用した。防犯広報目的での採用であったが、これが日本における警察犬制度のはじまりである。

昭和15(1940)年4月

刑事部防犯課主管の下に警察犬舎を設け、警察犬6頭を飼育。警察犬たちは、主に防犯活動に活用された。

昭和20(1945)年頃

戦争激化のため、警察犬制度を廃止。

昭和27(1952)年3月

嘱託犬制度を採用し、民間警察犬12頭・民間指導士10人を指定し、捜査活動に当たった。

昭和31(1956)年3月

直轄犬制度を採用し、千代田区代官町で、鑑識課が警察犬6頭、警察官4名で飼育訓練を始めた。

平成31(2019)年1月現在

シェパード23頭、ラブラドール・レトリバーなど13頭の計36頭が警察犬として活躍中。

亡くなった警察犬は、1968年に東京家畜博愛院に警察犬慰霊碑が建立され、年に2回慰霊祭が行われている。

また、警視庁警備部警備二課には警察の捜索活動を行う警察犬だけではなく爆発物探知や犯人制圧や災害救助犬のように被災者の捜索救難など複数の任務を行う事が可能な警備犬が採用されている。

参考:嘱託犬制度と直轄犬制度

嘱託犬制度

嘱託犬制度とは、民間で飼育されている優秀な犬を警察犬として嘱託し、警察活動に活用する制度です。

年に一度行われる嘱託警察犬審査会で成績が優秀だった指導士と犬に対して、4月1日から1年間嘱託されます。

これに合格すれば、小型犬など、どのような犬種でも警察犬になることがきます。日本では、日本警察犬協会が警察犬種として指定する犬種以外に、トイプードル、柴犬、ミニチュア・シュナウザー、ロングコートチワワ、ミニチュア・ダックスフンドなどが嘱託警察犬として採用され、その度にその微笑ましい姿が報道されています。小型犬の場合、広報活動で活躍することが多いようです。


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直轄犬制度

直轄警察犬とは、各都道府県警察が、直接、飼育・管理・訓練を行っている警察犬で、主に刑事部鑑識課に所属しています。

警察犬種として日本警察犬協会が指定するものは、シェパード、ドーベルマン、コリー、エアデールテリア、ラブラドールレトリバー、ボクサー、ゴールデンレトリバーの 以上7種で、それ以外の犬種は直轄警察犬になることはできません。

神奈川県警が警察犬の訓練を公開しています(神奈川新聞ウェブサイト「カナロコ」のYouTube公式チャンネル)。ただただ素晴らしいです。

 

日本一の警察犬アルフ号と、警察犬訓練士天野重夫氏の物語

 

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アルフ号の出生

アルフ(アルフ・フォン・ムト・ハイム)(1966年2月27日‐1976年9月18日)は、東京都練馬区にあった民間警察犬訓練所で、父・マックス、母・アデラの子として産まれた9頭のうちの1頭でした。

アルフは小柄で、人に甘えるとき、通常の犬は正面からじゃれつくのに対し、背中をよじ登ろうとする変わった仔犬だったそうです。

生後2ヵ月半頃に民間に譲られましたが、気性が荒く人を噛むとして数ヶ月で返され、素質を見た訓練士の判断で警察犬としての訓練を受けることとなります。

パートナー天野巡査との出会い

民間訓練士より推薦を受けたアルフ号を担当したのが、天野重夫(あまの しげお)巡査(当時)です。彼が、まんが『警察犬物語』の主人公・雨野しげお巡査のモデルです(微妙に文字が変えてあります)。

天野巡査は、当時、レックス号アリス号という優秀な2頭の警察官を担当していました。レックス号は、そのまま『警察犬物語』のレックス号のモデルで、アリス号も名前だけですが物語の中に登場します。

物語の中では触れられないアリス号ですが、とても優秀な警察犬でした。名前か想像できるとおり女の子で、1969年3月20日、高井戸警察署から脱走した強盗容疑者を捕らえ、警察犬として初の刑事部長賞の授賞式を『小川宏ショー』のスタジオで行われたそうです。生涯に301回出動(1984年まで日本の警察犬史上最多記録)、警視総監賞1回、刑事部長賞4回、鑑識課長賞68回など計80回以上の受賞歴を持ち、「警視庁警察犬史上最高の犬」と称されました。

アルフ号とアリス号は、とても仲が良かったのだそうです。レックス号については、警視庁に記録にはあるのでしょうが、ネット上では詳細な記録を見つけることができませんでした。ただ、アルフ号やアリス号同様、優秀な警察犬であったことは間違いありません。

 アルフ号のテスト犬時代、そして直轄犬採用へ

1967年2月7日、アルフ号は、警視庁警察犬訓練所の「テスト犬」(仮入所)となりますが、当初は問題の多い犬だったようです

警察犬の排便は一日6回、決められた時間に決められた場所でしなければならないのですが、アルフ号は先天的に胃腸が弱く、下痢を起こしやすかったため、他の犬とは別に消化の良い餌を与える必要がありました。

また、「座れ」「伏せ」などの基本的な服従訓練はできたのですが、体力がなく、障害飛越訓練で疲れると言うことを聞かず犬舎へ逃げ戻ってしまうこともありました。

訓練所の係員から「ダメ犬」のレッテルを貼られ、民間訓練所への返却も検討されていたようです。

しかし、アルフ号に体力以外に長所があると考えた天野氏は、アルフ号に体力を要する訓練を無理に強いず、代わりに応用訓練である足跡追求などを試みたところ、アルフ号は地面との摩擦で鼻先に傷を負ってもなお匂いを追う集中力の強さを見せ、この点で適性を認められて、仮入所から10ヶ月ほどを経た1967年12月1日に直轄犬採用(正式入所)されました。

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現役時代と、アルフ号が関わった主な事件

初めての仕事

アルフ号が初めて出動したのは1968年10月31日、清瀬町で発生した女児誘拐事件です。発生から警察犬の出動要請まで7時間ほど空いており、警察犬の効果は薄いと考えられましたが、天野は匂いを追う能力の高いアルフ号を伴い出動します。

女児の匂いを追ったアルフ号は、女児が一度自宅へ戻っていたことをつきとめますが、女児の母親の証言と食い違ったため誤りとされ、結果、女児を発見することはできませんでした。

しかし後に、女児は幼稚園から都営住宅にある自宅に戻ったところを、隣人の男に誘われ隣室内で殺害され、遺体は天井に隠されていたことが判明します。

誤りとされたアルフ号の追跡は女児の足取りをほぼ正確に辿っていたことが証明されました。

初めての手柄

1970年5月31日未明、窃盗事件が頻発していた墨田区両国で、民家の庭先に潜んでいた男が本所警察署に連行されますが、男は容疑を否認します。

警察犬による証拠鑑定の要請を受け、アルフ号を伴って出動した天野は、現場に遺留された手袋をもとに、男のものを含む複数のハンカチから同じ匂いのものを犬に選ばせる物品選別を実施、3度繰り返してもアルフ号が彼のハンカチのみを選んだ事実を突きつけると、男は容疑を認め、後に20件あまりの余罪をも自供した。これがアルフ号の初手柄となり、課長賞を授与されます。

これ以後、天野とアルフ号は様々な事件に出動し、その働きは新聞やテレビなど報道にも大きく取り上げられ、それまで一般には馴染みの薄かった警察犬の活動を、広く世間に認知させることとなります

真岡銃砲店襲撃事件

左翼党派である京浜安保共闘グループは、獄中の最高指導者・川島豪が公判出廷のため横浜拘置所から横浜地方裁判所に移送される際、襲撃・奪還するために、銃火器を必要としていましたが、交番襲撃に失敗、猟師から猟銃を奪う計画も実行されず、民間銃砲店を襲撃することを決定します。そして、1971年2月17日午前2時半頃、栃木県真岡市にある銃砲店を、電報配達を装い男性3人で襲撃、家人4人を縛り上げ、猟銃10丁、空気銃1丁、散弾約1,500発を奪い逃走します。

赤羽警察署では、直ちに埼玉県境の橋で自動車検問を実施し、男2名が乗った栃木ナンバーの自動車に職務質問をしたところ、急に発進、警察官1名を引きずり逃走しました。その後、犯人はカーブを曲がりきれず、大破した車を乗り捨てて住宅地方向へ逃走したため、警察犬の出動が要請されました。

出動要請を受けた警察犬班は直ちにアルフ号を同乗させて現場に急行し、乗り捨てられた車のそばに落ちていたスキー帽を原臭に追跡を開始しました。しかし200メートルほど先で臭気が消失したため、警察犬担当者は犯人がその付近に潜伏しているものと判断し、アルフ号の引き綱を取り外し、自由検索に当たりました。

すると、アルフ号は、臭気が中断した地点から約100メートル離れたアパート路地内のゴミ集積場所に潜んでいる男2名を発見し、緊急逮捕しました。この2人は、京浜安保共闘グループの重要人物でした。

この功績により、アルフ号は警察犬として初めて警視総監室へ招かれ、本多丕道警視総監手ずから、警視総監賞の首輪とメダルを授けられ、この他にも、刑事部長賞公安部長賞警ら部長賞、栃木県警本部長賞を受賞し、「五冠王」と報道され、全国的な話題となりました。

あさま山荘事件

真岡銃砲店襲撃事件から5ヶ月後、赤軍派と京浜安保共闘が連合赤軍を結成します。

山岳ベース事件など過激な行動が繰り返される中、警察はその足取りを掴めずにいましたが、あさま山荘事件の2日前、警察は連合赤軍の潜伏場所を特定します。

山を一斉捜査することとした警察は、真岡銃砲店襲撃事件で功績を挙げたアルフ号の出動を要請、襲撃を得意とする同僚のバルダ号(メス・当時3歳)と共に出動します。

この一斉捜索では、選りすぐりの警察犬数頭が、アルフ号、バルダー号と共に、雪の舞う零下15度の山中を約8キロにわたって追跡しました。

1972年2月19日から28日にかけ、連合赤軍メンバー5人が長野県北佐久郡軽井沢町の保養施設「浅間山荘」に立て籠もり「あさま山荘事件」が勃発します。

事件勃発の2月19日、アルフ号は群馬県妙義山へと入り、21日までの3日間雪深い山中を捜索し、雪中に埋められていたダイナマイトやパイプ爆弾、連合赤軍の出納記録、武装計画の書かれたノート等約300点を発見し、さらに野宿した痕跡を2つ発見し、メンバーらの足取りを明らかにし、22日の交代の犬に任を譲ります。

あさま山荘事件では、立て籠もったメンバーが戸外へ出たところを警察犬に襲撃させる案もありましたが、これは実現しませんでした。

アルフ号は、この事件の功績により、2度目の警視総監賞と、公安部長賞、長野県警本部長賞を受賞しました。

ちなみに、アルフ号と共に出動したバルダ号と同じ名前の犬が『警察犬物語』にアルフ号初恋の相手として登場し、あさま山荘事件ではありませんが、共に捜査にあたる物語が描かれています(もちろんフィクションです)。

実在のバルダ号は、1969年に警察犬訓練所に入所しています。大変身軽な犬で、犬舎の天井近くの穴から外へ出て「忍者犬」などと呼ばれていたといいます。容疑者から凶器を奪う「特殊襲撃訓練」を受けた犬で、あさま山荘事件では、武器を所持している可能性の高い連合赤軍メンバーと遭遇した際に、襲撃を不得手とするアルフ号に代わって対処すべく同行したしました。アルフ号と一旦帰京した後に立て篭もり犯襲撃のため再び現場に参加しています。1973年1月1日にフィラリア症で亡くなりましたが、一説にはこのときの無理がたたったとされています

アルフ号、バルダ号を含め、あさま山荘事件の捜索に参加した警察犬たちとその担当官――よくテレビ等で特集されている「あさま山荘事件」ですが、その向こう側に、零下15度の過酷な環境下での、小さな戦士たちの命を削るような戦いがあったことは、あまり知られていません。

ビル荒らし「クモの陣十郎」事件

1972年7月8日、東京都中央区日本橋通にあるビルの管理人の通報により駆けつけた中央警察署の警察官が、ビルとビルとの間を身軽によじ登る不審な男を発見し、包囲しますが、見失ってしまいます。要請を受けて出動したアルフ号と、同僚のクラウディス号(オス・当時2歳)は、犯人の逃走経路を正確に追い遺留品を見つけ、犯人逮捕に貢献します。

犯人は度々ビル荒らしを行っていた前科10犯の男で、サーカス出身の軽い身のこなしと侵入手口から、当時NHK大河ドラマ「赤穂浪士」に登場した怪盗にちなみ、「クモの陣十郎」と呼ばれていました。

アルフ号とクラウディス号は、この功績により、刑事局長賞刑事部長賞長賞を受賞しました。

世田谷連続放火事件

1973年11月3日午前2時から同4時頃にかけ、世田谷で連続4件の不審火が発生し、現場付近から逃走した男を間もなく確保しますが、男は否認します。

アルフ号が現場付近の住宅の庭に落ちていたサンダルが男のものであることを証明し、さらにそのサンダルが4件の火災現場に繋がることを証明したところ、男は罪を認め、同年1月から周辺で複数回発生した不審火についても自供します。

この事件で、アルフ号は署長賞を受け、また、犬舎へ訪れた刑事課長より牛肉代として金一封を贈られました

陣場高原女子学生暴行事件

1975年4月15日、陣場高原へハイキングの下見に来た女子学生2人が、森林警備隊員を騙る男に山中で暴行を受けます。2人は翌日昼までに保護されますが、2人の証言により身許が判明した犯人は周辺の山岳に慣れた男であることが判明し、警察犬の出動が要請されます。

アルフ号は同僚のクラウディス号と共に出動、クラウディス号は臼杵山から、アルフ号は陣場山から互いに向き合う方向に捜索を進め、まずクラウディス号が遺留品のロープを発見、クラウディス号とすれ違ったアルフ号は臼杵山の麓で潜伏先と見られる農家を発見し、天野の報告を受けた五日市警察署員が翌朝、その小屋で犯人を逮捕しました。

この事件で、アルフ号は刑事部長賞署長賞を受けました

新宿障害男事件

1975年6月13日、新宿の寿司店へ借金の取り立てに訪れた暴力団員の男が、経営者の対応に腹を立て包丁で切りつけ、2ヶ月の重傷を負わせました。

その後、血まみれの男を乗せたタクシー運転手の通報で駆けつけた警察官が、男が降車した場所で血染めのハンカチを発見します。

出動したアルフ号は、まず凶器の包丁を発見し、さらに容疑者の自宅を突き止め、戸外に飛び出した男は逮捕されました。

アルフ号最後の事件

1976年2月6日、昭島警察署からの要請で、天野とアルフ号は出動しました。

この頃、昭島署管内では、商店ばかりを狙いドライバーで戸をこじ開けて侵入し、金庫を盗む手口の連続窃盗事件が発生しており、2月5日、付近の警戒にあたっていた警察官が挙動不審な男に職務質問をしたところ、ドライバーを所持しており、さらに窃盗の前科があることがわかったことから任意同行を求め連行します。しかし男が否認を続けるため、警察犬による物品選別が依頼されました。

ところが、アルフ号は現場の遺留品と男性の匂いが一致しないと判定、決定的な物的証拠も無かったため、昭島署は即日、男性を釈放、後日、真犯人が検挙されます。

無実の男性を救ったこの事件が、アルフ号の担当した最後の事件となりました。

パートナー天野担当官とのお別れ

アルフ号最後の事件から2週間程経った2月19日の朝、あさま山荘事件発生から4周年にあたるこの日にフジテレビから「小川宏ショー」への出演を依頼されていた天野は、出発間際にアルフ号の異変に気づきます

アルフ号は番組への出演はしたものの終始不調だったため、訓練所ではアルフ号をしばらく休養させることにします。また、このときのアルフ号の不調は視聴者にも伝わり、訓練所に激励の手紙が届いたり、見舞金を持参する人もいたといいます。

アルフ号はその後、5月に一旦は回復したかに見えたましたが、7月に入って老衰による神経痛と出血性の腸炎を患っていることが判明します。

警察犬訓練所発足20周年の取材に訓練所を訪れていた毎日新聞記者は、8月14日付夕刊にアルフ号の闘病を報じ、その読者から手紙や見舞い品が届けられました。

その後も、アルフ号は天野をはじめ訓練所所員らによる手厚い看護を受けながら一進一退を繰り返し、1976年9月18日午後6時50分、永眠しました。長年パートナーとして連れ添った天野に抱かれたまま、眠るように息を引き取ったといわれています。

アルフ号の葬儀は、鑑識課長を喪主といて9月20日に訓練所車庫で執り行われました。警察犬としては異例の、僧を招き読経してもらう本格的な葬儀だったといいます。また、警察関係者はもとより、民間からも弔電・弔辞が届けられ、土田國保警視総監(当時)からは、警視総監賞として金メダルが贈られました。

死後、生前の功績に対して警視総監賞を贈られた警察犬は、アルフ号が最初です

アルフ号は、約10歳7ヶ月の生涯のうち実働7年間、271回出動して36.6%の高い効果率を上げ、その優秀さを裏付けるように、警視総監賞2回、警察庁刑事局長賞2回、警視庁刑事部長賞9回など合計109回も表彰されています。

 

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さいごに ~警察犬にも働き方改革を!~

現在、日本で活躍する警察犬は約1300頭とされていますが、そのうち都道府県警察が直接飼育・訓練する直轄警察犬はわずか160頭ほどということで、日本の警察犬制度は、ほぼ民間の嘱託警察犬により支えられている、というのが現状です。

しかし、嘱託警察犬は毎年認定試験を受ける必要があり、その任期は一年。また、民間の犬であるため、出動要請に必ず応じることができるわけではありません。

しかし、都道府県警察としても、予算不足、人員不足などから、直轄警察犬を増やす、ということが難しい状況にあります。

科学捜査の技術が向上した現在でも、なお、警察犬が事件解決、防犯活動として担う役割はとても大きいものがあります。

私たち一人一人が、警察犬の仕事を知り、警察犬への理解を深めていくことも、日本の警察犬制度を充実させていくために必要なことの一つなのだと思います。

 

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