『早春賦』 ~童謡唱歌 雅楽寮 狼の歌~

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第一回は、唱歌『早春賦』をご紹介します。

毎年2月に入り、寒さが緩み、そして梅の花が咲きはじめると、自然と唱歌『早春賦』が頭の中を流れます。

2月末から動画制作をはじめ、本当は2月末から3月中旬までには公開したかったのですが、初めての動画制作で、一から勉強しながら作成していたため、思うように作業が進まず、結果、とても「早春」とはいえない、桜も散る4月の公開となってしまいました。

 

童謡唱歌  狼の歌 『早春賦』

動画は全部で6:14くらいで、はじめに解説をし、2:19あたりから歌を入れています。

 

唱歌『早春賦』について

早春賦』(そうしゅんふ)は、1913年(大正2年)に発表された吉丸一昌作詞、中田章作曲の日本の唱歌で、2006年から2007年にかけて文化庁日本PTA全国協議会が選定した「日本の歌百選」に選ばれています。

吉丸一昌が他に作詞した唱歌は、『故郷を離るる歌』(ドイツ民謡)、『雲雀』(本居長世 作曲)、『かくれんぼ』(工藤冨次郎 作曲)、『望郷の歌』(成田為三 作曲)などがあります。

また、中田章は、様々な小学校、高等学校の校歌の作曲を手がけています。

唱歌『早春賦』は、東京音楽学校(現在の東京芸術大学)の教授をしていた、吉丸一昌が、長野県立大町中学(長野県大町高等学校の前身)の校歌の制作のために長野県を訪れ、大野市から安曇野一帯の情景、寒さ、そして春の暖かさを歌ったものといわれています。

題名の「賦」とは漢詩を歌うこともしくは作ることを指し、「早春に賦す」が原義となっています。

 

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唱歌『早春賦』とモーツアルト作曲『春へのあこがれ』

唱歌『早春賦』のメロディーが、アマデウス・モーツアルトWolfgang Amadeus Mozart/1756–1791)晩年の作、『春へのあこがれ』(Sehnsucht nach dem Fruhlinge、K596)に似ていることは有名です。これは、作曲家の中田章が、ヨーロッパ音楽への憧憬が強かったことが影響していると言われています。

また、『知床旅情』(森繁久彌 作詞・作曲)も、モーツアルトの『春へのあこがれ』の影響を受けているともいわれています。

ちなみに、『春へのあこがれ』は、1791年1月14日にウィーンで初演された曲で、小川のほとりにスミレが咲き乱れる5月頃への思いを曲にした、子ども向けの歌曲といわれています。

参考に、『春へのあこがれ』を添付します。

 

唱歌『早春賦』の歌詞

一番

春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず

二番

氷解け去り 葦は角ぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日も昨日も 雪の空
今日も昨日も 雪の空

三番

春と聞かねば 知らでありしを
聞けば急かるる 胸の思いを
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か

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