以前読んだ小説の登場人物が語っていました。
太陽の光は生き物の命を吸って輝いている、
月の光は太陽の光を背に浴び、間接的に輝く、
だから月の光は優しい
私はこの台詞が大好きです。
太陽ほどの自己主張はないものの、ひっそりと地上を照らす優しい月の光。
私は月が大好きです。
幼い頃から歴史が好きな私は、夜毎輝く月を見上げ、「あの人たちもこうやって月を見ていたのだろうか、遥か昔から変わらないただ一つの月、今私はあの人たちと同じ月を見ている」、そんな感傷に浸ったものです。
私が会いたい歴史上の人たちは、既に彼岸の人となっています。
昔と変わらず天上で輝く月だけが、私とその人たちを繋ぐ唯一の存在に思えるのです。
月は美しく妖しく輝き、人の心を操ります。
・・・
と言えば文学的で美しいのですが、実際は「月の引力」で科学的に説明することができます。
そして、それが水分の多い生物の体、感情に影響を与えるのです。
西洋の狼男の伝説も、こういった経験から語られたものなのかもしれませんね。
日本で月の物語と言えば、「竹取物語」が有名です。
かぐや姫は「天の羽衣」を身に纏ったとき、地上の全て、大好きだった、おじいさん、おばあさん、帝のことを忘れ、月へと帰っていきます。
かぐや姫が残したものは何だったのでしょう。
残された人たちの寂しさや悲しみ、富士山から上る煙、、、
ふと空を見上げると、美しい月が遥か昔と変わらない姿で優しく地上を照らしています。
かぐや姫は天上の人で、「天の羽衣」を身に纏い地上を離れましたが、おじいさん、おばあさん、帝の子孫である私たちは、かぐや姫の月の光に憧れ、癒され、励まされ、芸術的な感傷に想いを巡らせます。これにより、美しい文学が生まれ、宇宙開発等の技術は進歩し、人々の心にさらに美しい光を注ぎます。
私は月が大好きです。
太陽ほどの自己主張はないものの、優しく私たちを照らし、様々な感傷へと導く月。
降り注ぐ月の光は、かぐや姫の恩返し。
私はこのブログを通して、ささやかで微かな光をどこかに照らすことができれば、、、そんな気持ちで「かぐや姫の恩返し」というブログタイトルを考えました。