2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」
また戦国時代か、、、なんて、たいして楽しみではなく、当初はなんとなく惰性で見ていたのですが、気付けば何気に毎週楽しませていただいています。
今回の大河ドラマでは、「三木の干殺し」とも呼ばれる三木城攻めが描かれていたので、「もしかしたら「鳥取の渇え殺し」も描かれるのでは!」と期待していたのですが、織田信長の冒頭の「鳥取攻めご苦労であった」(・・・だったかな?)で、あっさりと気付けば終わっている設定でした、、、
2014年大河ドラマ「軍師官兵衛」でも、あっさりと台詞の中で終わらされたんですよね。
鳥取城は、鳥取市で一番高い山「久松山(きゅうしょうざん)」の山頂に建てられた山城で、今は城の建物は残っていませんが、「鳥取城跡」として、今も多くの鳥取市民の憩いの場となっています。

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高い建物のない鳥取市なので、どこにいても久松山山頂と、その石垣を見ることができます。
今もお城が残っていたら、鳥取市のどこからもお城を望むことができ、正に世界に誇れる鳥取の宝だったのにな、と、明治時代に日本の大切な文化や建物を壊しまくった人たちに腹が立ちますが、まあ、それも歴史の流れなので受け入れるしかありません。
この鳥取城跡、ただ石垣のみが残っているわけではなく、井戸なども残されており、鳥取市民であればたいていが訪れたことのある思い出の場所でもあります(小学校の課外学習なんかで)
実はここ、戦国時代から江戸末期にかけての城郭形態の変化を窺うことができることから「城郭の博物館」とも呼ばれており、何気にすごい場所なんです。

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1580年(天正8年)に羽柴秀吉によって行われた鳥取城攻めは、後に「鳥取城の渇え殺し」と言われる程凄惨な兵糧攻めでした。
城には約1,400人の兵士の他、約2,000人とも言われる農民たちもこの城に閉じ込められ、秀吉は4ヶ月を超える兵糧攻めを実施、それは、後に「戦国時代で最も凄惨な籠城戦の一つ」ともいわれる、あまりに凄惨なものでした。
このときの様子は『信長公記』に「餓鬼のごとく痩せ衰えたる男女、柵際へより、もだえこがれ、引き出し助け給へと叫び、叫喚の悲しみ、哀れなるありさま、目もあてられず」と記されるほどで、私も子どもの頃、鳥取県立博物館でこのときの様子を描いた絵巻を見、親からこの話を聞いたとき、とてもショックを受けたのを覚えています。毎日のように眺める穏やかな久松山で、わずか数百年前にこんな悲惨な出来事があったということが、とてもショックでした。
同年10月25日、城主吉川経家(きっかわつねいえ) が眞教寺で切腹したことで開場、凄惨な戦は終わりました。
しかし、鳥取城の悲劇は、ここではまだ終わりません。
「リフィーディング症候群」をご存知ですか?
「リフィーディング症候群」とは、 慢性的な栄養不良状態が続き、高度の低栄養状態にある者に、急激に充分な栄養補給を行うことにで発する代謝合併症で、体内の急激な電解質バランスの崩れにより、心不全や意識障害などの重篤な症状を引き起こす大変危険な症状です。
鳥取城開場のあと、秀吉は生き残った者に粥をふるまったとされていますが、それを食べた過半数がすぐに死んでしまったと『信長公記』に記されており、これが「リフィーディング症候群」だったのではないかといわれています。
医学の発展が今ほどではない当時、また、たとえこれが現代であったとしても、4ヶ月を超える飢餓状態の後、目の前に食べ物を差し出されたら、専門家が近くにいてしっかりと管理・指導してくれないかぎり、今の人でもそれを急激に食べてしまう人がほとんどだと思います。
このあまりに悲惨すぎる「鳥取の渇え殺し」は、ドラマで描かれることはなく、もしかしたら「豊臣兄弟!」は、とも思っていたのですが、残念です。
こんな悲惨な歴史を持つ鳥取城ですが、今は「鳥取城跡公園」として、多くの市民の憩いの場となっており、健康のために久松山登山する方も少なくありません。
切腹することで人々を救った吉川経家の子孫には、人気長寿番組「笑点」の司会を務められた落語家の五代目・三遊亭圓楽さんがいるらしく、今久松山麓に立つ吉川経家の銅像作成の際は、圓楽さんの顔を参考にしたそうです。

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悲惨な歴史を見てきた久松山ですが、今ここに集う鳥取市民の笑顔や明るい話し声が、辛く凄惨な最期を遂げた方々の供養になっていればいいな、と日々思います。
<写真に残る二の丸の櫓群>

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